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研究所概要

会社名 農的社会デザイン研究所
住所 〒202-0000
東京都西東京市
電話・FAX番号 TEL: 090-1792-6830
メールアドレス CommunityAgriculture@nouteki-design.com
業務内容 ◎農的社会デザイン研究所の業務内容

 これまでの工業的社会に変えて、生命を大切にし関係性・コミュニケーションを優先した農的社会の形成を目指して、地域レベルで農業を中心としながら、生活に必要な基本的なものは極力自給していくことを応援・支援していくために、現場での取組みをベースに講演・講義、調査・研究、情報発信をしていきます。

 あわせて取組現場を横につないでのネットワークづくりをし、相互の交流をはかっていくための事務局機能を果たしていくことを予定しています。以下、もう少しその中身について具体的に紹介していきましょう。



◎農的社会とは何ですか? 

 農的社会とは工業的社会の対概念です。工業的社会は近代化、都市化によって形成された社会であり、人間の知恵・知識をもとに、あらかじめ設計された工程にもとづいて、想定した製品・サービスをできるだけ多く、できるだけ早く能率よく生産・提供し、少しでもたくさんの利益を確保していくことを追求してきました。

 そこでの製品・サービスはともすれば無機的で画一的、かつ関係性・コミュニケーションを無視したものになりがちです。これに対して農的社会は、人間の知恵・知識の可能性と限界をわきまえ、自然の摂理を尊重するとともに、何よりも生命を重視し、関係性・コミュニケーションを優先した社会、そんな社会を意味しています。



◎なぜ、今、農的社会なのですか?

 私たちは目先の便利さや利益を追求するあまり、機能重視、効率化を最優先することによって分業化を進行させ、画一化した工業化社会が進歩であると考え、ひたすらこれをめざしてきました。

 しかしながら高度経済成長を経て先進国となり、さらには経済大国となった今、表面上の“豊かさ”と“便利さ”の裏に、地域を喪失し、関係性を貧困化させ、現金なしには生きていけない社会、現金だけを頼りとする社会をつくってきてしまいました。

 そして市場化・自由化・グローバル化の波が押し寄せ、格差を拡大することによって一握りの金持とたくさんの貧しい人たちをつくり出してきました。小泉構造改革が東京一極集中と地方のシャッター通り化をもたらしましたが、アベノミクスはTPP推進を柱にさらにこれに拍車をかけようとしています。

 いくら経済を成長させGDPを増加させても、安心して暮らすことができ人間的な生き方が保証される社会には直結しないことがわかってきました。真の“豊かさ”を享受していくためには、経済的な富だけではなく、関係性・コミュニケーション、地域、そして自然・環境等を大事にした暮らしが不可欠です。
 
 人間も幼児期、青年期には大いに背丈も伸び体重も増加しますが、大人になれば成長は止まります。国も、途上国が経済成長し先進国になれば、おのずと経済成長はスローダウンして、途上国・新興国に経済成長をバトンタッチしていくのが道理です。すなわち一定の経済成長をとげた国は成熟国家への途を切り開いてくことが求められているのです。

 すなわちGDP志向の工業的社会から生命優先の農的社会への転換・脱皮していくことこそが必要であり、アジアの各国に先駆けて成熟国家としてのモデルを確立していくことこそが日本が求められている国際的使命であり、最大の国際貢献でもあるのです。



◎デザインするって何ですか? 

 工業的社会では分業と規模の拡大、広域流通がGDPの拡大をリードしてきましたが、農的社会は分業ではなく総合・統合、規模拡大ではなく適正規模、広域流通ではなく地場流通を重視します。 

 したがって関係性・コミュニケーションを活かしながら、家庭や地域などの足元・身の回りでできるだけ自給し循環させていくことが肝心であり、こうした取組みをひろげていくことが基本となります。すなわち貨幣経済ではなく実物経済を重視していくとともに、交換だけでなく贈与を重視した世界を目指していくことが必要です。

 あくまで各人・各地域が主役・主体であり、自ら取り組んでいくことがすべてであり、その意味では現場でこうした取組みをひろげていくことをさまざまな形で応援していくことによって“世直し”をすすめていくことを“デザイン”していきます。



◎研究所はどんなことをするのですか? 

 主役は人・地域であり、現場ですので、現場に極力足を運び、応援(援農)等をしながら五感をとおして現場を理解しつつ、その取組事例を整理し、調査・研究をし、情報発信していきます。 

  農業を柱とはしますが、生活に必要な基本的なものは極力自給していくことが必要であり、これらを広く対象とします。評論家の内橋克人氏は、食料Food、エネルギーEnergy、福祉介護Careを自給していくFEC自給圏構想を打ち出していますが、これに教育 Education、環境 Environment、文化 Cultureを加えてのF3E2Cを対象としています。またCareには医療・健康をも含みます。

 こうした取組みの調査・研究と情報発信とあわせて、取組現場を横につないでのネットワークづくりをし、相互の交流をはかりながら広がりをつくっていくことが大事であり、このための事務局として機能していくことができるよう体制整備していく予定です。



◎これまでどんなことに取り組んできましたか?今後、どんな取組みを考えていますか? 

 これまで当研究所・代表の蔦谷栄一は、(株)農林中金総合研究所で農業・食料・環境問題を中心に調査・研究活動を展開してきました。その研究成果等については著作一覧等をご覧ください。

 また蔦谷政子は長年小学校の教員として教育現場で奮闘してきました。あわせて週末を利用して山梨市牧丘町で自然農業やかつての養蚕農家を利用しての体験教育活動にも取り組んできました。

 これを踏まえて、目下、次のような活動を行っています。
・「コミュニティ農業」の推進・広報(銀座農業政策塾での講義、全国各地での講演等)
・みんなの家・農土香での田舎体験教室、大人の農土香(田舎探訪と交流)
・田無おむすびハウス(後期学童保育と大人の居場所づくり)
・山梨市窪平コミュニティカフェ(ピザづくりとワイン賞味等による都市・農村交流) 

  そして各地にいる志を同じくするグループ等と連携をはかりながら、地域活動の応援・支援をしながら、情報の収集・分析・整理をすすめています。 
 さらに次のステップとして、各地のグループをつないでの農的社会創造ネットワークの創設を目指して地道な取組みを重ねていきたいと考えています。
役員 研究所代表 蔦谷 栄一